視点3 / 海洋研究

視点3 / 海洋研究

駿河湾の環境と災害の経験を活かし、世界的な海洋研究・イノベーション拠点を形成する

海洋研究

 標高3,776mから水深2,500mの深海まで、富士山から駿河湾にかけて形成される高低差6,000mを超える独特の地形は、海洋に関する様々な分野の研究フィールドとして注目されています。駿河湾内でも特に高い港湾スペックを有し、交通の利便性も高い清水港は、海洋研究のメッカになるポテンシャルがあります。JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」の長期係留、静岡市の海洋産業クラスター協議会の取組、海洋文化拠点施設(海洋・地球の総合ミュージアム)建設、静岡県によるマリンバイオ分野での連携体制構築(MaOI機構)等、海洋研究を軸とした産業振興の機運が高まっています。地震多発地帯として防災減災研究も活発です。こうした強みと機会を逃さず、地の利を生かし、清水港及び周辺に海洋に関する幅広い分野の研究機関を集積させ、日本を代表する海洋研究拠点を形成することが考えられます。

課題と可能性の検討

1)海洋研究の公開と連携

中心市街地に近く、集客商業施設と国際客船埠頭のある日の出地区を中心に
①海洋文化拠点施設における研究成果の公開・発信
②マリンビルを転用したリエゾンオフィスやサテライトラボ(MaOI-PARC)
③研究成果の生産物や製品を楽しむマーケット、レストラン、カフェなど

2)海洋研究拠点の形成

湾央・湾外に開き、面的な低未利用地のある貝島・塚間地区を中心に
①旗艦的研究施設を誘致し、大学との連携やベンチャー起業の支援を進める
②貝島地区埋立地に研究船埠頭を整備し、関連施設(研究施設、資機材置場等)も整える
③清水駅東口・江尻および日の出地区と水上ならびに陸上交通で結ぶ

3)海洋研究の環境整備

①研究開発者及び家族の居住支援と生活サービス及び生活環境の整備
②研究開発者の日常的な交流機会・場の創出、ベンチャー起業の支援
③小・中・高の海洋教育、若手研究者育成、生涯学習『清水海洋文化大学』

4)海洋系MICE(国際会議、企業研究会、学会等)の誘致と定常化

海洋文化拠点、清水マリナート、清水テルサ、清水マリンビルの他、東海大学、清水新庁舎などを会場に展開。清水港周辺を含め観光利用を促進。