視点1 / 海洋経済

視点1 / 海洋経済

清水が培い、清水を育ててきた、海洋と関わる経済活動を発展的に継続する

海洋経済

 清水にとって、港湾を介して海洋と関わる経済活動は、海洋文化の重要な一面であり、環境や親水性に配慮しつつ、発展的継続が求められます。清水の海洋経済を担う物流業と製造業は、立地と交通に恵まれ、コンパクトな港湾であることを活かし、効率性を最大化して事業展開を図っています。
 物流業は湾奥・湾央の折戸・日の出・江尻地区から、東名・新東名高速道路、国道1号、中部横断自動車道と直結する湾口の袖師・興津・新興津地区へ集約中です。製造業も海運と漁業により発達し、清水港で最も早く開業した食用製油工場と、マグロ缶詰工場発祥地として食品加工大手が、江尻・日の出地区に拠点を構えています。清水駅東方の県内唯一の石油コンビナートでは、LNGが清水港最大の輸入量(重量)を誇り、今後の需要拡大、次世代エネルギーや地域連携など新たな事業展開も計画されています。貝島・塚間地区では造船所が各地から船舶の点検修理・新造を請け負い、金属業は高純度アルミナなど高付加価値製品の製造へ転換しています。

課題と可能性の検討

1)港湾物流産業の効率的な発展成長

①ICTとAIの導入
②カーボンニュートラルポートへの対応(RTG電動化・FC化を通じた脱炭素化)
③時間外労働の規制強化、労働力不足への対応(RORO船の拡充、コンテナターミナル遠隔化・自動化による荷役作業の効率化)
④興津・袖師埠頭:船舶大型化への対応、外航船と内航船の連動(外航コンテナ船と国内RORO船)、船舶の適正配置の検討、RORO船専用ターミナル、            バルク貨物取扱の強化への対応
⑤富士見埠頭:船舶大型化への対応、多様な貨物への対応
⑥港湾と内陸の連携:中部横断自動車道や新東名高速道路の活用、内陸物流拠点整備、車両の自動運転と隊列走行、山梨・長野・新潟・北関東など広域集荷

2)エネルギー産業の高次化と脱炭素先行地域

①地場食品産業におけるエネルギー利用(冷凍倉庫、植物工場、養殖等)
②エネルギーネットワークの形成と災害時のレジリエンスの向上
③再生可能エネルギー由来の電力や水素の生産・供給インフラの構築
④次世代エネルギーのモビリティサービスや周辺施設等への活用

3)海洋関連あるいは地域特有の産業の発展・発信

①地元の食品・水産加工業の他、造船産業、食品製造機及び漁業関連機器製造、海洋工事技術の発展
②産業博物館や企業ミュージアムによる情報発信と市民交流

いちば館